お願いだから、好きだと言って!!







***



中学3年生。



受験も近づき、周りの空気もピリピリとしている頃。



自慢でもないけど、それなりに勉強はできる方だった俺は、希望の高校もA判定で特に問題もなく、適度に気分転換と言いながら遊んで過ごしていた。



元々明るい性格で、まわりに友達は多かった。



いわゆる、クラスのムードメーカーのようなもので、ピリピリした空気も吹き飛ばすくらい笑って、楽しんでいた。



頭がいいからと勉強を教えて欲しいと頼んでくる奴もいる。



それは男女問わず。



その頃の俺は、来るもの拒まず……



頼られていることに喜びを感じていた。



「ねぇ、雅くん。この問題なんだけど……」



「えっと、これ?」



「あ、それ私もわかんなかったの!教えて、教えて!」



一人の子が話しかけてくると、あっという間にまわりを囲まれ、勉強会の開始だ。



苦でもなんでない俺は、一つ一つ丁寧に答えていった。



「ったく、相変わらずモテモテだな、雅は」



「こことここが違うんだよ」



俺のことをからかってくる友達に、自分の顔と頭を指さして、不敵な笑みを浮かべて言葉を返す。



「本当、嫌味しか言わねーよな。どうせ雅には勝てねーよ。……くっ、はははっ」



「当たり前、ははは」



それなりに楽しい学校生活を送っていた。