「……な、なんでしょう」



「別に。続けたら?早くしないとみんな帰ってきちゃうよ」



「あ、ごめんなさい」



嫌々ながらも一緒に過ごしてきた中で、ひとつ思ったことがある。



絃ちゃんって……



「からかいがいがあるね」



「なっ!それ、瞳にも……あ、友達にも言われてて」



ボソッと漏れてしまった言葉に、絃ちゃんは反応して返してきた。



絃ちゃんの友達事情に興味がない俺は、完全にスルー。



いつものことだからか、絃ちゃんは小さなため息をついてから、またじゃがいもと向き合っていた。



それにしても、いつもからかわれてるのか、この子は。



家でもよく蓮にからかわれていると思う。



俺たちを惚れさせてみろなんて言っておきながら、自分でも気づいてないだろうけど絃ちゃんに惹かれつつあるんじゃないだろうか。



目を背ける蓮には、気づかないかもしれないけど。



……って、目を背けてるのは俺も一緒だな。