醤油や砂糖、みりんなどで味付けをして、瞳とふたりで味見をしてみる。
「うーん……」
「美味しいんだけどなぁ」
瞳と一緒に食べてみての感想は、美味しい。
でも、何かが足りない。
瞳は何かと考えているけれど、料理初心者の私には何が足りないのかさっぱりわからない。
「あら、どうしたの?」
「先生、味付けしたんですけど、何か足りないんですよねー」
「美味しそうな匂いはするけれど……」
私たちの味見の感想を聞いて、鍋の中を覗き、匂いを嗅いでいた先生。
「少し味見させてね?」
「はい」
小皿に少し取り分けて先生に渡すと、確かめるように食べていた。
これは瞳との共同作業で作った料理だけど、いざ人に食べてもらうとなると、どこからか恥ずかしさが込み上げてくる。



