「真上から切るんじゃなくて、少し刃先を入れてから引くように切るのよ。そうしたらもう少し楽に切れるはず。はい」



また包丁を手渡されて、言われた通りにやって見ると、あら不思議。



「なんで!?あんなに大変だったのに……!」



「料理は知識と慣れよ?」



「おぉ、瞳様かっこいい」



出ました、瞳の名言。



先生かのように腰に手を当ててドヤ顔をしていた。



「どう?料理の方は順調?」



「あ、先生!」



「はい、次煮込んでいきます!」



「いい調子ね。具材が柔らかくなってきて味付けできたら呼んでね」



「「はーい」」



はぁ、先生のスマイルは天使だ。



「ほら絃、早く煮込むわよ」



「あ、はい」



こっちの先生は、スパルタみたい。



油を軽く伸ばして、豚肉を炒める。



ある程度火が通ってきたところに、じゃがいもと人参……その他具材を入れて、水を入れたあと煮込んでいく。



ここでポイントなのが、予めじゃがいもと人参はラップに包んで電子レンジで温めておくこと。



これで少し柔らかくなって、時短になるんだって。



時短クッキングなんて、響きが何だか主婦みたいでわくわくする。