「今の料理教室なんて若い男性もいるし、女の人だって主婦だけじゃないのよ?しかもほら、ここ」



瞳がチラシを指差し、そこをよく見てみると"高校生限定!"と書かれていた。



今って、そんな企画もされてるんだ。



「高校生だからって気を抜いてたらダメよ!今のうちから花嫁修行しておかなきゃ!」



「は、はぁ……」



バンと机を両手で叩いて、身を乗り出してくる瞳の迫力には思わず体を後ろにそらしてしまうほど。



「ひ、瞳……みんな見てる」



「そんなの関係ないわよ。それに、聞いたけどもう私と絃の名前で申し込んじゃったし……参加決定ね?」



「仕事が、お早い……」



まわりの目も気にせず……



行動も素早い瞳にはかなわない。



「しかも、これは絃のためよ?」



「わ、私のため?」



「ほら、男は胃袋で掴めって言うでしょ?」



「聞いたことはあるけど……」



……胃袋ねぇ?