朝、屋上に行く。

『おはよう。』

そしたら案の定、彼がいた。

『はよ。寝み~。』

『私、転校するよ。』

『え?はっ?』

彼はものすごく驚いていた。

『家の事情。』

『そっ・・・か。分かった。元気でな。』

彼が手を振る。

『ちょっと待って、名前、教えてくれる?』

私が聞くと彼は、

『それは教えねー。』

『な、んで?』

『次、どこかしらで会った時、これは運命やっ!って思えるようにしようや。名前も知らない、メアドも知らない。だけど、会えたこと、喜ぼうや。』

『うん。うん!』

『お前とは、また会える気がすんねん。』

『私もっ!』

『『バイバイ』』

そう交わした私たち。

転校していった学校は、女子中だった。

転校から、1年たった。

私は、みんなに信用されていた。

『高校、どこ受験する?』

『私、桜沢高校にしようかな。』

共学の高校。

彼から聞いたことを思い出す。

『女は、失恋すると綺麗になる。』

元彼を、見返してやる。

失恋するぞ!