サーッと顔から血の気が引いていく。

どうしよう~!

激しく狼狽えている間に、ガチャッと静かにドアが開く音がした。

「クリス様?」

寝ていると思っているのか、遠慮がちにクリスを呼ぶラルフ宰相。

心臓が大きくドキンッとはねて、私は硬直した。

カツン、カツンとベッドに向かって近づく靴音。

このままだと見つかる~!

毛布で身体を隠そうとするも、クリスが毛布を押さえていてできない。

お願い、ラルフ宰相!こっちに来ないで~!

「クリス様、まだお休みで……」

ラルフ宰相が天蓋付きベッドのカーテンを少し開け、中を覗き込む。

私と目が合った彼は、カーテンをスッと元に戻した。

「……これは失礼」