「はぁ~~~?」


敦政が話し終わった後、無意識に声が出てしまった。






(本当にありえない…家柄だけしか見てなかったってこと?)





敦政は私の様子を見て、ぼそぼそと語り始めた。




「まぁ、なんだ、その…。私は以前、菖蒲のことを心から愛していたんだ。だから、毎日通い続けて、口説いていたんだ。」






(あぁ、それで『縛り付ける』か…)




「菖蒲が他の男と結婚すると聞いて、何度も何度もしつこいくらいに引き止めようとしたんだ。」




(……それはウザイな……)




「だが、相手は中御門家よりも格上の渡邊家だから、到底敵わなかったのだ。」






「その数年後、輝夜が私の前に現れた。……一目惚れ、だったのだ。」