などと、課長の顔見ながらうっかり考察していたら



「伊月は酔っ払うとツンツンが少し減るし考えてることがダダ漏れだな。」


クスクス笑う課長。

本日2度目のレア笑顔である。


仕事場ではいつも無表情が静かな怒りを背負って冷たい声で問題起こした部下を叱る人である。



ほんと、今日はどうしたよ?

課長も酔ってるのかしらん?



「だから、伊月考えてることが全部心の中じゃなくて声に出てるからな?」



そう言うなり私の手を取り歩き出す課長。



「俺は途中から来たし、通勤が車だから飲んでないからな?ここで一つ聞いといてやる。」



はて、課長は素面とな?

えー?!
じゃなんでこんな面倒い女を送ることにしたんだ?
面倒だけで損しかないぞ???



「そんなことないぞ?やっと俺のターンだからな。分かってないよなその感じだと。とりあえず車に乗れ?」



そうして開けられた助手席ドアから乗り込む車は外車の高級車の日本仕様の右ハンドル車。



「それでだ、明日明後日は休みだな。」



「そうですね?確かに土日だから休みでふね。」



「俺はまだ飲んでない、お前も飲み足りないし愚痴り足りないんだろう?」



「もちろんれす!!」




「だから、俺の家で飲み直そう。いいか?」



「ちなみにどんなお酒があるんれすか?」


そう聞いてみると



「ワインとシャンパン、ビールに日本酒があるぞ。俺は家飲み派だからな。」



「やったー!行きまする!!」



「じゃあ出すぞ。」


そうして向かうは課長宅。



ここで一言。



普段なら絶対ついて行かない。


やはり私はこの時点で相当酔っ払っていたのだ。