【短】君とホットケーキ



「愛してる」



 気持ちを伝えなきゃ、わからない。



「おれも愛してる」



 わたしは背伸びして、晴斗先輩にキスをした。
 瞬間、ホットケーキの味がして笑ってしまう。



「あんな失敗作。食べてくれたの?」

「歩美が作ってくれたから」



 なんとなく恥ずかしくなって、また俯いた。



「今日から始めよう」

「え?」

「ちゃんと付き合おう、歩美」

「うん」

「それに、仕事のこともな。相談に乗る」

「うん!」



 すごく、すごく時間がかかったけど、やっと恋人になれた。
 やっと頼れる場所を見つけた。


 晴斗先輩の気持ちがわかって嬉しかった。