頭がついていかず、ポカンと口を開けているクラスメートたちが多い。


「亡くなったって、どういう意味ですか?」


クラス委員長である女子生徒が手を上げてそう発言した。


「家にトラックが突っ込んで、板野は即死だったそうだ」


先生はそう言うと、深くため息を吐き出した。


即死。


その言葉が頭の中で何度も繰り返される。


「詳しいことは先生もまだ聞いてない。でも、板野はもう……」


「やめて!!」


叫んでいたのは沙良だった。


沙良は今にも倒れてしまいそうなほど真っ青で、その頬には涙が流れていた。


薄々感づいていたことだったからか、誰よりも早く涙を流している。


クラス内の誰もが黙り込み、重たい空気がのしかかって来る。


まだ混乱していて話しについて来られていない生徒たちの中、あたしは強いメマイを感じていたのだった。