席に戻るとやるせなかった。
麗華に言われなくても分かってる。
俺のせいで………。
紗良のために王子様になりたかった。
他の誰の為でもない。
改めて昔の紗良だけじゃなく今の紗良も大切だって気づけた。
それなのに……本人には届かないのに、周りが王子様ってもてはやして、その結果が……。
「ちょっと!何してるの?」
大きな声にみんなの視線が集まった。
視線の先には経理課の天野さんと天野さんに手をつかまれた香川先輩。
「べ、別に………。」
「ちょっと来なさい!」
天野さんの手には何かの紙切れ。
2人が立っていたのはシュレッダーの前で……。
嫌な予感がして、考えるよりも先に体が動いていた。
「すみません!天野さん!!
それ、俺が紗……天野さん……あ、いや、紗良さんに頼んだんです。
シュレッダーにかけておいてって。」
天野さんが眉をひそめて確認した手の中の紙切れはやっぱり俺の領収書。
昨日、打ち合わせの時に使った食事代。
「友達と行った時にクセで領収書を切ってもらったのを間違えて持ってきちゃったからって……。」
苦しい言い訳。
でもこれ以上、俺の関係で紗良と香川先輩に何かあれば紗良の立場が今以上に悪くなる。
紗良のためと思って香川先輩を弾糾すれば、また紗良に火の粉が降りかかるのは目に見えていて……。
「そ、そうなんです。
それを紗良から聞いていて………。」
ここぞとばかりに話に乗ってくる香川先輩に苦いものが広がっていく気がした。
本当に最低だよ。あんた。
「そう……。
松田くんがそう言うんじゃね。」
天野さんは領収書を俺に渡して、去って行った。
その姿を申し訳ない気持ちで見送った。
天野さん……すみません。
俺、正義よりも何よりも紗良が大切なんです。
「ありがとうございました。」
囁いた香川先輩に「いや。本当のことだから」と顔を見るのも嫌で席に戻った。
嫌な静けさが社内に戻り、俺は半分シュレッダーにかかって切れ切れになっていた領収書を破いてゴミ箱に捨てた。
もっと他にやり方があったんだと思う。
だけど……今まで俺は麗華が言うように誰の肩も持たずにみんなにいい顔をしてきたから良かったんだ。
悪いことだってさりげなく指摘できたし、それを素直に聞いてもらう術も心得ていた。
それなのに………。
麗華に言われなくても分かってる。
俺のせいで………。
紗良のために王子様になりたかった。
他の誰の為でもない。
改めて昔の紗良だけじゃなく今の紗良も大切だって気づけた。
それなのに……本人には届かないのに、周りが王子様ってもてはやして、その結果が……。
「ちょっと!何してるの?」
大きな声にみんなの視線が集まった。
視線の先には経理課の天野さんと天野さんに手をつかまれた香川先輩。
「べ、別に………。」
「ちょっと来なさい!」
天野さんの手には何かの紙切れ。
2人が立っていたのはシュレッダーの前で……。
嫌な予感がして、考えるよりも先に体が動いていた。
「すみません!天野さん!!
それ、俺が紗……天野さん……あ、いや、紗良さんに頼んだんです。
シュレッダーにかけておいてって。」
天野さんが眉をひそめて確認した手の中の紙切れはやっぱり俺の領収書。
昨日、打ち合わせの時に使った食事代。
「友達と行った時にクセで領収書を切ってもらったのを間違えて持ってきちゃったからって……。」
苦しい言い訳。
でもこれ以上、俺の関係で紗良と香川先輩に何かあれば紗良の立場が今以上に悪くなる。
紗良のためと思って香川先輩を弾糾すれば、また紗良に火の粉が降りかかるのは目に見えていて……。
「そ、そうなんです。
それを紗良から聞いていて………。」
ここぞとばかりに話に乗ってくる香川先輩に苦いものが広がっていく気がした。
本当に最低だよ。あんた。
「そう……。
松田くんがそう言うんじゃね。」
天野さんは領収書を俺に渡して、去って行った。
その姿を申し訳ない気持ちで見送った。
天野さん……すみません。
俺、正義よりも何よりも紗良が大切なんです。
「ありがとうございました。」
囁いた香川先輩に「いや。本当のことだから」と顔を見るのも嫌で席に戻った。
嫌な静けさが社内に戻り、俺は半分シュレッダーにかかって切れ切れになっていた領収書を破いてゴミ箱に捨てた。
もっと他にやり方があったんだと思う。
だけど……今まで俺は麗華が言うように誰の肩も持たずにみんなにいい顔をしてきたから良かったんだ。
悪いことだってさりげなく指摘できたし、それを素直に聞いてもらう術も心得ていた。
それなのに………。

