夢乃くんにご注意ください



わかんない、わかんないけど、なんだかふたりがものすごく仲良しに見えてきた。

すると音弥くんはペットボトルの水を一気に飲み干して、それをぐしゃりと潰す。


「夢乃とはケンカ仲間っていうか、悪いことは全部アイツと覚えたって感じ」

ケンカ?悪いこと?


「ゆ、夢乃くんはケンカなんてしませんよ」

「は?なに言ってんの、お前」

何故か私が的外れを言ったような雰囲気になっている。


「アイツめちゃくちゃケンカ強いぜ?つか、中学のときに夢乃に勝てるヤツなんていなかったし。1回キレると手がつけられねーからな、マジで」

日本語なのに全然話が頭に入ってこない。


「えっと……誰の話ですか?」

「あ?夢乃のことだろ」

はは、と笑い飛ばしたいのにできない。


ゆ、夢乃くんがケンカ?キレると手がつけられない?

そんなバカな、と思いつつも、ふと夢乃くんと交わした会話を思い出した。


――『昔は超過保護にされててその反動で不良になっちゃった』


……冗談だと思ってたのにアレって本当のことだったの!?


「言っとくけど夢乃は底なしの不良だからな」

追い討ちをかけるような音弥くんの言葉。