その肩幅は夢乃くんよりちょっと大きくて、腕まくりしている手も綺麗な夢乃くんと違ってゴツゴツとしていた。
「お、音弥くんは野球部ですか?」
「あ?部活なんてやるわけねーだろ」
「とてもお上手なので……」
「アイツとよく来てからな。24時間営業だし、朝まで暇つぶすには丁度よかったんだよ」
〝アイツ〟とはすぐに夢乃くんのことだと分かった。
音弥くんはひと通りバットを振ったあと、休憩場所へと向かってベンチで飲みものを飲んでいた。
意識したくないのにやっぱり見てしまう音弥くんの顔。
「なに?」
「い、いえ、べつに!」
いっそのことお面でも付けておいてくれないかな。とにかく右京さまの残像がチラついて集中できない……。
なんとか意識をそっちに持っていかれないように、話を私から切り出した。
「音弥くんと夢乃くんはお友達ですか?」
夢乃くんにした質問と同じことを聞いてみた。
「は?全っ然!」
あれ、同じ反応だ。
「アイツとは同中でただの腐れ縁だよ」
あれれ、また同じ。



