恐怖で声も出せなかった。
夢乃くんは私を探して辺りをキョロキョロと見渡している。
ひとりきりの夢乃くんを女の子たちが放っておくわけもなくて「一緒に帰ろうよ」「遊びに行きたい」「是非プリクラだけでも1枚!」と次から次へとお誘いが。
「なあ、夢乃のこともっと知りたくない?」
そんな中、隣で音弥くんが言う。
「大人しく俺についてきたら教えてやるよ、夢乃のこと全部」
……夢乃くんの全部?
何故だかものすごく惹かれている自分がいる。
だって夢乃くんはコロコロと顔が変わるから、
本当の夢乃くんはどれなのか、なにを考えているのかちっとも分からない。
誘いに乗ってはいけないと分かっていながらも、その言葉の誘惑に私は負けてしまった。



