夢乃くんにご注意ください



「ま、待ってください!なんなんですか?」

とりあえず右京さまに激似の顔は見ないようにして地面を見つめたまま反論した。


「あ?お前に拒否権はねーよ」

……ああ、俺様な右京さまが言いそうなセリフ……って、そうじゃなくて!


「な、なんで私を?」

「夢乃の彼女だからだよ。暇つぶしに遊んでやる」

「ひ、暇つぶし……?」

「暇つぶし以外でお前みたいな芋女を相手にするわけねーだろ」

「………」

声が右京さまなのがすごく悔しい。

音弥くんの意図が読めないけど、とりあえずこのまま連れて行かれるわけにはいかない。

なんとなく危険そうだし、乱暴だし、音弥くんと遊ぶ暇があるなら私は家に帰ってテスト勉強をする。


「いいから来い」

「イヤです。ムリです」

まるで散歩を拒否する犬のような攻防戦が続く。

すると校舎のほうから「夢乃くーん」と女の子たちの探知機が働いて、ホッとしたのも束の間に音弥くんが本気の力で私を引っ張って無理やり死角になっている茂みの中へ。


「な、なにするんですか……!?」

「騒いだら殺すぞ」

「ひぃぃ……」

ヤバい。本気の目だ。

顔も声も右京さまなのに中身は全然違う……!