ダメだ。私の脳内は完全にぷちパニックを起こしている。
新しい乙ゲーをプレイして自分好みだったときの高揚感と抑えきれない興奮度。食べることも寝ることも忘れてしまうあのランナーズハイのような感覚に似ている。
「まあ、いいや。お前が夢乃の彼女なら話は早い」
「へ?」
音弥くんが悪い顔になった瞬間、私たちの後ろから声がした。
「なにしてんの?」
そこには夢乃くんが立っていた。
「おー夢乃。いいところにきた」
「音弥。こんなところまできてなんの用?」
何故かイケメンふたりに挟まれる私。
このオーラと威圧感で、隙があれば逃げ出したいぐらいだけど残念ながら私に運動能力は皆無。
スタートダッシュでコケるパターンだから、ここは透明人間にでもなったつもりで大人しくしていよう。
「お前がどんな学校生活してんのかなって見に来てやったんだよ」
「そんなこと頼んだ覚えはないよ」
「けっこう楽しそうにやってるみたいだな」
「音弥には関係ない」
やっぱりこのふたりは友達ではないのかな。
全然タイプが違うし、夢乃くんは終始イヤそうな顔をしているし……。
「関係ないんだけど、関係ができちゃったんだよね」
音弥くんはそう言ったあと、何故か私の肩を引き寄せて強引に腕を回した。
「悪いな、夢乃。コイツのことが気に入ったからこの芋女は俺が貰う」
え、え……ええ!?



