そして私は教室に戻ってそのまま校舎を出た。
部活動以外の生徒はほとんど帰宅している時間なのに何故か校門の前に人だかりが。
女の子たちがざわざわとしていて、この有名人でも現れたような雰囲気は夢乃くんの時と似ている。だけどその女の子たちの視線の先にいるのは夢乃くんじゃない。
「うぜえ……」
イラついた様子で周りを睨みつける男の子。
他校の制服を着ていてブレザーのうちとは反対に黒の学ラン。今にも殴りかかってきそうなほどピリピリしてるのに女の子たちはその容姿に釘付けだ。
「あ……」
私に気づいたのは男の子のほう。
目が合ってすぐに私に近づいてきた。
「お前あのとき夢乃の一緒にいたよな」
ゴクリと思わず息を飲む。
見間違い?カニウインナー?
やっぱり目が悪かったのは夢乃くんのほうだ。
私の目の前にゲームと同じ右京さまの顔がある。それは正真正銘、夢乃くんの知り合いである音弥くんだった。
「おい、聞いてんの?」
……しかも声までそっくり!



