「彼女がいることは知ってます。でも気持ちを抑えられなくて……」
泣きそうな顔をしている女の子。
どうやら私はとんでもない場面に遭遇してしまったようだ。
考えてみれば夢乃くんはきっと数えきれないほどの告白をされてるはず。
私は無縁でそういうことに頭が回らなかったけど、夢乃くんに対してファンとしてじゃなく純粋な恋心を持ってる人もこうして沢山いると思う。
……女の子、すごく可愛い。
小柄で髪の毛もふわふわで、夢乃くんと並んだらお似合いだなって感じ。
「気持ちは嬉しいけどごめんね」
夢乃くんは告白をやんわりと断った。
それもやっぱり慣れている気がした。
「か、彼女がいるからですか?私じゃダメですか?」
それでも女の子は諦められない様子。
「私、本当に夢乃先輩のことが好きなんです。こんな気持ちになったのは初めてなんです。だから……っ」
聞いてるだけで夢乃くんへの想いが伝わってくる。
「今はそういう気持ちになれないんだ、ごめんね」
夢乃くんはそう言って廊下を歩き去っていく。



