だって私も3日間限定でオープンした【恋する女子は眠れない】のカフェにひとりで2時間並んだから。
秋葉原とか初めてだったし、私はアニメや漫画には興味がないからオタクではないと勝手に言い聞かせていた部分があったんだけど、どうしても数量限定の右京さまのクリアファイルが欲しくて欲しくて……。
結局、ランダムで貰えたのは右京さまじゃなくて文学系男子の塚本くんだった時は泣いたな。
まあ、塚本くんファイルも大事に保管してるけど(ゲームのファンとして)
だからお目当ての人を追いかけてしまう気持ちは少なからず分かるから私からはなにも言えない……。
「とりあえずさ、ここは仁科さんに協力してもらおうと思ってるんだよね」
夢乃くんの笑顔がなんだか不気味。
「きょ、協力とは?」
「うん。説明すんの面倒だから行こう」
「い、行くってどこへ……わっ、ちょ、ちょっと!」
夢乃くんは私の手を無理やり引っ張って、物陰に潜んでいた私たちはそのままマンションの前へ。
もちろん女の子たちと鉢合わせ。