「せっかくふたりだけの時間だったのに」

子どものように拗ねてる夢乃くんが可愛い。


「はは、でもいつでもまたふたりになれますし」

本当は私も少しガッカリしてるけど。


「とりあえずお皿用意しましょう。音弥くんと彩芽ちゃんが……」

「瑠花」

「はい?」

ふわりと身体を引き寄せられて重なる夢乃くんとの唇。

柔らかくて、優しくて、前のときよりずっと長い。


リビングではふたりの声が聞こえていて、物陰に隠れて夢乃くんは何度も何度も私の唇をさらう。


「ん……んっ」

そして息が苦しくなった頃に夢乃くんが身体を離してニコリと笑った。



「もう1回」

夢乃くんから降ってくる甘いキスに気絶しそうになった。


夢乃くんの彼女になった私。

それは乙ゲーよりも難しくて、全然クリアできそうにない難易度SS級の恋愛。


私の心臓はこれから大丈夫だろうか。

でも大好きな夢乃くんになら振り回されてもいいなんて思ってる私はもう……。


夢乃くんから抜け出すことはできない。



【夢乃くんにご注意ください】END