「そ、そんなイメージなかったです……」

むしろ一番遠い場所にいる感じがするし、私以外の人もみんなそう言うと思う。


「そう?まあ、金髪とかピアスとか見た目的なことは変わったけど」

「ケンカもお強いらしいですね」

「負けず嫌いだからね。だから今度瑠花が男に絡まれたら俺に守らせてよ」

夢乃くんの新しい一面。

可愛いだけじゃなくて、本当はやんちゃで男らしい部分があるってこと。


「あ、それと玄関で腰抜かすのはやめてね。本当にヤバい人だったらどうするの?襲ってくださいって言ってるようなもんじゃん」

……たしかにそうかも。

家にひとりでいることが多いわけだし、防犯グッズとかも買い揃えておこうかな。私だけじゃなくてお母さんのためにも。


「腰を抜かしていいのは俺の前だけにしてね」

「へ?」

気づくと夢乃くんの顔が近くて私は思わず後退り。それでも夢乃くんはジリジリと獲物を捕らえるヘビのように私を追い込んでいく。