「あれ、双葉どうしたその顔」


教室帰ると、ふくれっ面の私を見たミカが心配そうにそう聞いた。


「あー!柏場くんだよ!ほんっとムカつく!」


「何、あいつまたなんかしたわけ?」


「告白されてるのたまたま見ちゃって」


「うわーまじか。柏場の性格知らない人とかまだいるの?後輩?」


「うん。それで…振り方があんまりにも酷かったからつい注意しちゃって…」


「あぁ、それはあかんやつだな。口で柏場に勝てるやつとかいないし」


ミカは「あんま気にすんな。みんなにああだし、あいつ」と言って私の背中を優しく撫でてくれた。


「でもさぁー、なんであんなに性格悪いんだろね?普通怖いじゃん。人に嫌われるのって」


「わざと煽ってるようにも見えるよね〜」


「そういう性格なんでしょ?いいよ。柏場の話なんて!それより、昨日のsakuのさ!」


ミカがそう言って、話題をsakuに持っていく。


そうだ。


嫌なことを考えるよりも。


好きなことを考えよう。