「…なにカッコつけてんだよ」



離れた所でボソリと声が聞こえた。


御影はチラリと目線を遣り、だが、相手の顔は見ようともせずに、



「あいにく俺はお前に負けた事はない。学力も稽古も…」



スっと息を吸い、



「……恋愛もだ」



静かに目を伏せた。




周りの空気が一瞬にして凍りついた。


普段から西条と御影は何かしら事があるたびに対立している。

が、やはりその度に周りはヒヤヒヤしてしまう。


いつ、どちらかが暴走してもおかしくない。

もしそうなったら、果たして止められる人物はいるのだろうか?