御影は急に泣き出す澪和に動揺しているようだ。


そして、これまた真剣な表情で、



「あの女の子?誰の事を言ってるんだ」



近くに置いてあったハンカチを手に取り、澪和に差し出しながら言う。



「とぼけないで!!」



澪和は怒鳴っていた。

突然の出来事に御影は固まる。



「あの部屋!あの部屋で会った子が、先輩の事を、まこちゃんって…まこちゃんって…!」



澪和はハンカチを思い切り叩きつけた。

御影は「困ったな」と一言言うと、澪和の座っているベッドに自分も腰掛けた。



「落ち着いて聞いてくれ」



落ち着けるはずもないのに。



「あいつとは何も無い。案ずるな」


「そんなはずない!まこちゃん?そんな事、私でも呼んだ事ないのに!」



澪和は悔しかった。