9月22日 12時15分



マンションから少し離れた場所で、マンション入り口を見張る。




すると少女が出てくる。

 


顔は黄橙色に染まっている。




さきほど吹きかけた催涙スプレーだ。





正直、ゾンビ相手に催涙スプレーは効果が薄い。




本来、催涙スプレーは痛みで相手を行動不能にする武器であり、痛覚が機能しているかわからないゾンビには効果は期待できない。




そのため、今回使用したスプレーは黄橙色の染料も同時に噴射されるタイプのもの。




染料を眼球に直接かけることで視界を奪う。



少女がのぞき穴からこちらの様子を伺う動作をしていたので、視覚に頼って行動しているのは明白。




視覚を突如奪われれば、一時的には行動不能になると予測し、今回スプレーを使用し脱出を試みた。





少女は辺りを見回すようにきょろきょろと見回す。





こちらの車が目に入るとぴたりと動きが止まる。




また大きな口をあけて、抜けた歯の後から血と唾液をこぼしながら、またニヤニヤとした笑顔で猛スピードでこちらに向かってきた。



それに合わせて車を発進。