「ちぃ」 『わあっ、』 落ち着く声の主に呼ばれて手を引かれて、 抱きつく形になった。 ドキん。 鼓動が一気に速くなる。 「悪いけど、ちぃは諦めて」 「浅倉、ただの幼なじみだろ」 「今はね」 「は?」 「ちぃは誰にも渡さないから」 そう言って、ユウは私の手を引っ張って教室を出た。 手なんて、普段握っても平気だったのに。 私、最近、変だ。