「それ、買ってきたのか?」 指を指し、訊く西条。 「いぇ、これは御影先輩から貰ったんです」 澪和は笑顔で答える。 もちろん悪気はない。 西条はその言葉を聞き、ひどく不機嫌になり、 「み…か…げ………?」 その3文字に殺意を込めて言った。 「…………あ」 禁句を発したと気付いたときには時すでに遅し。 西条は怒りを込めた声で、 「俺も今日は帰る…。じゃあな」 一言だけ言うと、すぐに走って校舎から出ていった。