ヴ―ヴ――…



澪和は枕元に置いてある携帯の着信音で目を覚ました。

時刻は午前5時過ぎ。

"通話"の画面をスライドし、一応短く朝の挨拶をする。



「…ぶちょー…、おはようございます…」



発信者は佐々木教芳だった。



「うん、おはよう♪」



元気な佐々木の声と裏腹に澪和はまだ眠そうな声をしながら、



「…こんな時間にどうしたんですか?朝部、ありませんよね?」



欠伸混じりに質問する。

佐々木は「うん」と短めに返し、



「そうじゃなくて、澪和ちゃんの声が聞きたくて電話したんだ♪」



と、軽く返してきた。