貴慶はニヤリと笑ってから、 「…嫌やと言うたら、どないすんねん」 それまでの穏やかさは消え、ドスの効いた関西弁で貴慶は言った。 相手が関西弁というだけで白シャツは一瞬ひるんだが、 「…なら腕ずくでも」 と貴慶に殴りかかってきた。 が。 貴慶は咄嗟に手にあった傘をバッと目の前に拡げ、 「美優、逃げるぞ」 とハチ公前の交差点まで出た。 三人は追った。