結論が先になるが、このあと貴慶は相続を放棄する書類に署名をし、家裁宛に返送をした。 この件で貴慶は肚が据わったらしく、 「美優の実家のスナック手伝うよ」 といい、手元に例の寿司屋の大将から来たバイクは残したまま、バイク便の会社を畳み、リサのスナックで美優と働き始めた。 元来、社交的な貴慶でもある。 「ここは美男美女の店かぁ」 などと顔馴染みの常連にはからかわれながらも、順調な滑り出しを見せた。