だが。 どうも貴慶は将棋さしのような、何手か先まで見越しているような、それでいてどこかシャアシャアとした面がある。 「ただなぁ…問題は仕事用のバイクやな」 まぁ寝泊まりはどこか新しい物件を探せばいいが、バイク便の仕事なのにバイクがないのでは話にならない。 「何せ高いからなぁ」 どうやら貴慶の関心事は、次の次あたりまで行っているようであった。