翌朝。

夕方には横浜へ帰るというタイミングで、けたたましいばかりの着信音が鳴った。

「…はい」

「もしもし、こちら白川貴慶さんの携帯電話でよろしかったでしょうか?」

「はい」

「朝早くすみません、鶴見警察署刑事課の者ですが」

「…はい?」

警察、と聞いただけで一気に貴慶は目が覚めた。

「実はそちらの事務所が火災で全焼しまして、安否の確認のためにお電話を差し上げたんですけど…」

「…えっ?!」

貴慶はまだ事態を把握しきれないでいる。