――――
――…



「陛下。」


冥紗が出て行ってすぐに、范夷扶が戻って来た。


戻ってくるのならば、はじめから出ていかず、いれば良かったものの…。


「いかがでしたか?琴軍妃将軍は。お二人で少し話された方がいいと思いまして、外させて頂きました。」


笑顔で頭を下げる。


命を狙われ続け、実の母でさえ信用できないで生きてきた。


范夷扶でさえ、信用するまでには時がいった。


だから、冥紗と2人で少し話し、どんな娘なのか確かめたかったのは事実だ。


范夷扶もそれをわかってくれて外してくれたんだろう。


少しの時しか2人で話さなかった。


たった少しの時だけで、まだ何もわからないのに


なぜか信用できると思った。



「琴冥紗は何者なのでしようか…試験を見た時、あの娘には違うものを感じました。」


確かに異常な程、誰よりも強く、目を疑う試験だった。


あれ程の強い者は正直、宮廷に探しても数える程いない。


ましてや11歳の娘だ。


どうして育ってきたのだろうか?

様々な疑問が浮かんだ。



会って話しがしたいと思えた。


冥紗がいれば、後宮が変われる気がした…