四面楚歌-悲運の妃-



二人がしっかりと瞼を閉じた事を確認すると、崙矣と頷き合う。

崙矣は念の為に、鄒から崔皇后様が見えない様に位置を移動した。


『では失礼いたします、崔皇后様。』


その言葉と同時に仮面に手をかけ外す。

そして、そっと崔皇后様の腹部に手を当てた。

人の魂を感じるのは久しぶりの事だった

仮面を付けている状態は、人と変わらぬ状態になる為、魂を感じる事は出来ない。

崔皇后様の魂と、まだ小さなその魂。

尊き命…私が知りたい事を探るのには時間はかからなかった。

仮面を付けなおし手を離す。

「もう開けても?」

崔皇后様に聞かれはいと答えると、ゆっくりと瞳を開いた。


崙矣は元いた場所に素早く移動すると同時に鄒も瞳を開く。


『皇后様、皇子です。必ず皇子がお生まれになります。』

知りたかった事は、御子が皇子か否かだった。

もし皇女だったのなら、崔皇后様にはお伝えするつもりはなかった。

帝位を継げない皇女であっても、私の気持ちが変わる事はない。

ただ崔皇后様には、どちらであるかは重要である。

皇后様はお身体が弱い、御子を生むのはこれで最後にしなければお身体が保たない。

それは御典医もわかっていて、崔皇后様自身にお伝えしているだろう。