命を狙われているというのに、崔皇后様の顔が穏やかにみえるのは、御子がおられるからなのだろう。
崙矣がかけた言葉は、崔皇后様にとっても何としても成し遂げたい事
自らの為に犠牲になる者がいたとしても、それでも守りたいもの
それは私や四天王…そして各将達も、自らが犠牲になっても守りたいものだ。
だからこそ確かめたい事が私にはあった。
『崔皇后様、畏れ多い事ですが御子に触れてもよろしいでしょうか?』
私のその問いに、控えていた鄒は無礼な事であると顔を歪ませ一歩前に出ようとした。
しかしそれは崔皇后様によって止められる。
手で制し、鄒に向かって首を横に振った。
「構いませんよ。この子は貴女方に守られている。他の者がそれを無礼な事だと言おうと、私はその権利は貴女にはあると思っています。」
皇后様はそう言って笑顔で頷く。
『ではどうか、瞳を閉じていただけませんか?鄒にもお願いです。』
それは不審な頼みだとわかっている。
鄒はもちろん、崔皇后様も何故なのかという顔で私を見つめた。
先程制された故、鄒は言いたい事を我慢するように口を真一文字にする。
崔皇后様は問い返す事もなく、私の顔をじっと見つめている。
ほんの数秒見つめ笑顔を向けると、瞼をそっと閉じた。
それをみて、鄒も瞼を閉じる。

