鄒が上品な所作で菊花茶を私達の目の前に置いた。
茶器の中で揺れる菊花は美しく、その香りはとても落ち着く。
血行不良などの効能があるとされる菊花茶は、懐妊中の皇后様の為のものだ。
茶としても、漢方としても、今の皇后様に相応しい茶だ。
「明日は陛下が舞妃ノ宮に、軍妃の全体演習を見にいかれる日ですね。私もご一緒にと思いますが、私が赴くと軍妃達が萎縮してしまうでしょうしこの様な身である故…」
そう言って皇后様はお腹を撫でた。
皇后様が出歩く事は護衛が付く事であり、皇后宮の外では警戒を高めなければならない。
夜に刺客の襲撃が多いといえど、昼のうちに襲撃があったこともある故油断出来ない。
皇后様と言うとおり皇后様が舞妃ノ宮に陛下と一緒に訪れる事は、軍妃達が皇后様の存在を気にしてしまい、よりいっそう萎縮してしまう。
故に皇后様の判断は正しい。
「私は皇后であるのに、何も出来ない。」
「崔皇后様が出来る事、そして私達がのぞむのは、御子を御無事に生むことですよ。」
皇后様の言葉に崙矣は、まるでその言葉を言う事をわかっていたように間もなく言った。
私も頷き皇后様に微笑みかける。

