四面楚歌-悲運の妃-




あえて口にしないのは、范丞相が私を試しているのかもしれない。

しかし毎回范丞相の狙いに気付ける程、私は優秀ではない。

わからねば、聞くしかないのだ。

私の問いに、范丞相は口の左端を微かに上げた。


「妃だけではない。近々軍妃候補も国中から募る予定だ。」


それが問いの答えなのかわからず、眉根を寄せる。

軍妃候補を募り舞妃ノ宮に集まるまで、少なくとも一月。

舞妃ノ宮で鍛錬と後宮や国の事を学ぶのに三月。

つまり軍妃候補から軍妃として、警護にあたるまで四月かかる。

それはあくまで、軍妃になってすぐに警護に参加するという前提の期間だ。

今いる軍妃達は、軍妃になって1年たった状態での警護だ。

それでも、なすすべもなくただ盾となってしまった。

それでは新しく増やした軍妃は、本当に盾として犠牲になるばかりだ。

軍妃をただの盾として、使い捨てるという事が答えなのか?

軍妃は確かにいつなん時、陛下の為に命を落とす事になるかわからない。

それが妃とは違い、命をかける事が軍妃の役目であり、存在価値だ。


それでも…それでも、あんまりではないか。

陛下もきっとそんな事は望むことではない。

皇后様だってそうだ。

そんな事は私はこれ以上したくない。