「己が身を守るためでも構わないといったであろう?命欲しさに逃げ出すのではなく、戦うことが陛下をお守りすることにつながるのだ。」

崙矣が優しく話かける。

その言葉が今の3人にどれだけの慰めのなったか、さらに溢れる涙がおしえてくれる。


『逃げ出さなかったこと、それだけでもそなたたちはよくやってくれた。そして、己が過ちを悟り私たちに謝ったのは、この先そなたたちが軍妃とし生きていくことの覚悟であると思ってもよいか?私達と共に、陛下や皇后様を守る為に戦ってくれるのであろう?』

柳将は少し驚いた顔をした後、韋将と王将と顔を見合わせ頷き合う。

頬に伝う涙を拭い、顔を引き締めた。

「正直まだ不安も恐怖もあります。けれど私達は軍妃なのです。軍妃として後宮に入ったその日から、私たちの運命は決まっています。今までであったなら、その運命から逃げ軍妃としての役目もはたせず、陛下の築く治世に汚名にを残すことになっていたでしょう。私達は運命を受け入れたい。私たちがいる意味を成したい。」

私が思っている以上に軍妃達は辛かったのかもしれない。

軍妃として後宮に入ったものの、戦うことから逃れ、妃としての先を望んだ。

しかし、妃としての先も陛下に見初められなければ見出せず、歯がゆい毎日を送る。

軍妃としても、妃としても、自らの存在意義もわからない

だだ毎日、過ぎていく時に身をまかせるしかなかった。

それはどんなに辛く悲しいことだろうか。

軍妃としての運命を受け入れることで、軍妃達がひとりでも多く辛く悲しい時から抜け出せるなら、わたしは導いていきたい。



そしてそれが、軍妃達だけだはなく、陛下とこの国のためにもなるのだから…。