二人と微笑み合っていると、広間の扉が開き皆の視線が自然に扉へ向く。
入って来たのは晏惟と梛犀で、急いで来たのか肩を上下に揺らしている。
悒雉が安心させるようにまだ始まっていない事を告げると、二人は軽く息を吐きだし、崙矣と悒雉の向かい側に座った。
一息つくと晏惟の視線が私に向き、その瞳は優しく細められ、口は弧をえがいた。
今まで微笑みかけられた事は数えきれない程あったが、今日ほど晏惟を美しいと思った事はない。
そう思わせる笑みだった。
出会ってから今日まで、戦う事しかなった。
そんな晏惟しか知らなかったからだろうか。
ああ…晏惟は手に入れたのだ
私が陛下から頂いた女人としての幸福を
晏惟も同じように…故に美しい。
きっと私以外の者もそう感じただろう。
「お待たせ致しまして、申し訳ありません。」
その言葉と同時に、扉が開かれて汪軍妃官が入ってくる。
汪軍妃官の後を数人の軍妃が連ねる。
その軍妃の達を見回して思わず声をあげる。
『祁嗄(キサ)!尹(ユン)!』
「「冥紗っ!悒雉に崙矣も!」」
懐かしいと思える程久しく会ってなかった二人。
軍妃候補として、舞妃ノ宮で過ごした日々が思い出される。

