舞妃ノ宮にある広間に着くと、崙矣と悒雉がすでに到着していた。
後は晏惟と梛犀と汪軍妃官か…
軍妃官が用意したのか、まるで軍議の時と同様に細長い机を囲むように椅子が並べられていた。
この場合、軍妃将軍である私は上座に座る。
「今日の舞妃ノ宮は一段と騒がしいな。」
腰掛けたところで、崙矣が遠くを見つめながら言った。
その言葉はひどく冷たく聞こえた。
私も悒雉もそれに何も返せなかった。
崙矣も返答を期待しているわけでもないようだった。
「冥紗」
不意に名を呼ばれ、崙矣に視線を向ける。
崙矣も先ほどとは違い、視線を私と合わせた。
「冥紗は優し過ぎると言ったが、人は急に変われるものではないし、無理して変われるものでもない。
私は元より冷酷な性分だ。
私が引き受けよう。」
崙矣…
崙矣は私が背負う重荷を、背負うとしてくれている。
その気持ちは嬉しいが、首を横に振った。
なぜと言うように崙矣は目を見張る。
『私と四天王で共に後宮軍を統べたい。
故に崙矣だけにそれは背負わせたくない。』
笑みをうかべ、崙矣と悒雉を交互に見て言う。
二人は驚いた顔をするが、それはすぐに笑みに変わり力強く頷く。

