四面楚歌-悲運の妃-




汪軍妃官との約束まで刻があったが、李燗が舞妃ノ宮に行くというので共に行く事にした。


晏惟の昨夜の事で、舞妃ノ宮は予想通り軍妃が大勢鍛練に勤しんでいる。


李燗はその光景に苦笑いを浮かべた。


弓を射るという李燗に、約束の時間まで見て欲しいと言われ射場に向かう。


「ここもか…。」


射場に着くなり李燗がそう呟くのも頷ける。


十ある的はすでに先に来ていた軍妃が、代わる代わるに弓を射ているのだ。


ここにくるまで多くの軍妃を見ており、射場だけ少ないという事はないだろうが…


比較的軍妃が少ない奥の的を見つけ、射場に足を踏み入れる。


私に気付いた妃達は、驚き慌てて頭を下げた。


影で私の悪口を言っていても、こういう場では私を軍妃将軍として扱う。


そのせいなのか、奥の的の前に来た時には、その的の前だけ軍妃がいなくなっていた。


それ幸いと李燗は笑みをこぼす。


「ねぇ、冥紗の手本を見せてくれない?」


李燗のその言葉に、周りの軍妃達の動きが止まり視線を私達に向けてくる。

私が弓も使うという話を聞いているのか、単に興味があるのか…