四面楚歌-悲運の妃-



言い方は冷たく残酷であっても、崙矣の言わんとしてる事はわかる。


陛下の寵愛があるわけでもなく、ただ贅沢に暮らすだけの軍妃など、この国にはいらない。


陛下の、皇后様の、そして宮歌國に盾となり矛となる軍妃が必要だ。


軍妃の力量がどうであれ、我々軍妃の命は、後宮に入った時点で宮歌國のもの。

戦えぬからと除外しつずけていたのは、本来なればいらぬ優しさ。




「それに、冥紗が陛下に寵をもらった事により、舞妃ノ宮には多くの軍妃が修練に訪れている。
ただ寵を得たいという、不純な動機であっても盾にはなれる。
いざ刺客と対峙すれば、陛下の命は元より、自らの命も危険にさらされるとわかり、力を尽くさずにはおられまい。」


軍妃らは自らの命を惜しむだろう。


死にたくないと抗い、剣を振るわざるえない。


崙矣の言う通りだ。


力無き者を戦いに出す事が、いくら残酷であっても


軍妃は軍妃の役割をせねばならぬ。



軍妃というものが本当はどんなものなのか、それをわかってもらわなければ


後宮軍は名だけの存在で終わってしまう。


この先、四方を囲む国々が攻め入る時がくる事もあるのだ。


今のままでは前にさえ進めぬ


皇帝に冷酷さと優しさが必要な様に、軍妃将軍にもそれが必要だ…