皇后宮襲撃の後始末を宦官達が行うという事で、傷を負っていた晏惟と梛犀と共に御典医の元へ来ていた。


私は血まみれの見た目とは違い、傷は一つもない。


晏惟の傷も梛犀の傷も幸い浅く、対したことがなかった。


疲れている二人は先に室に帰り、私は陛下に昨夜言われた診察を受けていた。


「お年を考えれば皆心配なされるが、人とは一人一人違うもの。
そのお年で懐妊可能であるのは、何もおかしい事ではございません。」


御典医の趙殿は私を安心させる様に言った。


しかし分かっている。


先帝の頃より何百人もの妃を診て来た趙殿とはいえ、私の体は珍しかろう。


私と同じ年頃の普通の娘であれば、後宮にも召される事のない年であり、まだ無邪気に過ごしているであろう年だ。


私が生姫でなければ、こんな思いはせずにすんだであろうか?



「お体は至ってご健康。
ご診察した結果、懐妊に至るにも問題はないとこちらからご報告をしておきます。」



深々と頭を下げて告げる趙殿に、衣装を整え礼を申し上げ室を後にする。