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そして、三月という日々はあっという間に過ぎて行き…


後2日を残すばかりとなった。


500人余りいた軍妃候補達は、日に日に数は減り、半数近くまでになっていた。


それに李燗は寵を争う者が減ったと喜んでいたが、それ程軍妃になるとは過酷な事である事を表している。


そんな中、私と同じ室の者達は、誰1人欠ける事がなく、今日を迎えている。



「私がそなた達に教える事は、今日で最後となる。
三月前よりは数は減ったが、よく乗り越えた。」



初めの頃は不安に満ちた顔の軍妃候補達


今ではそんな顔を誰1人見せる事がなくなった。



「最後に、そなた達に話す話はこの国の誰もが知る…会う事があるかもしれない…聖人の話だ。」



欺軍妃将軍の言葉に思わず、身体が硬直する。



聖人…


宮歌国に住む者すべてが、聖人の存在は知っているが

詳しい話を知るものは皇帝陛下に仕える者達だけ。


皇帝陛下に使える身としてはより知っておかなければならない事…


いつか…この後宮で話をされる事になると思っていた。