四面楚歌-悲運の妃-




刺客は眉をひそめ、私を凝視する。


その間もギリギリといわせながら交わる剣。


刺客の様子になぜか身震いがし、様子を見るため一度剣を引き距離をとった。


刺客は変わらず私を凝視したまま、ゆっくりと私との距離を縮めようと歩を進めて来た。


しかし数歩進めた所で急に足を止め、笑い声をあげた。



「ふははははっ。
くっくく、その印には覚えがあるぞ。」


私に剣先を向け、妖しく言った。


…印?


っ!?


剣先が向けられているのは、鎖骨の中心だった。


そこにあるのは、華の形をした朱い印。


そう…七神の真実の姿を封じる呪印。


な…に…?



「実際に見るのは初めてだが、七神に施す印だという事は知っている。
仮面に呪印…。
くく、なぜこんな所におられるのだ?
七神・生姫。」


その言葉に場が凍りついた。


刺客も晏惟も梛犀も、こちらを見ているのがわかった。


なぜこの男が天矢や印の事を知っており、私が生姫であるとわかったのだ…?


なぜ…


「なぜだ?という顔だな。
教えてやろう。
我等は聖人を憎む、聖人一族だ。」


聖人を憎む…


聖人一族…だと!?