四面楚歌-悲運の妃-



『崔皇后様はご無事か!?』


カキンッガシャン…


剣のぶつかり合う音の中、声を張り上げて晏惟に問う。


ガシャンッ


「くっ…!
皇后様はご無事で中におられる。」


刺客と剣を交わしながら晏惟は苦しげに言った。


崔皇后様がご無事で良かった。


しかし、この刺客をどうにかしなければ安心は出来ない。


ザシュ


「ぐはぁっ」


何人かの刺客を切り倒し、次に向かってくる刺客に剣を振り落とした時だった。

ガシャンッ


「仮面の軍妃将軍。
噂には聞いている。」


刺客が妖しげな目を光らせながら、低い声を出した。


「この矢を放ったのはおまえか?」


私の剣を片手で防ぎながら、腰に付けられている筒から矢を取り出して見せた。


!!?


これは、天矢!


まさか、私があの時放った天矢か!?


「なぜおまえが此を持っている?
此が何か知らず射たわけではあるまい。」


な…に…?


まるで天矢の事をこの刺客は知って、私に問うているようだ。


天矢は聖人一族以外は知らぬ物だ。


なぜこいつは…


「答えぬつもりか?
それ…ん?」


刺客は何かを言いかけて言葉を止めた。


なん…だ?