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「…いか…きん…ぎさま…」
ぼんやりとする意識の中で、微かに声が聞こえる。
その声は次第に大きくなり、はっきりと頭に響いた。
「陛下!琴昭儀様!」
壁内侍?
普段なら陛下に呼ばれるまで寝所に入ってこないのに…
それに焦った様に私と陛下の名を呼んで…何が…
「…なんだ、壁内侍。」
何度も私達を呼ぶ声に、陛下も体を起こす。
「お休み中に申し訳ございません。
皇后様付きの家令から、皇后宮が刺客に襲撃されているとの事。
宦官および欺天王様・李天王様、現在迎え撃っております。
しかし苦戦しており、既に宦官数名が息絶えたと報告が!」
皇后宮に…刺客が…
苦戦…?
壁内侍の言葉を聞くなり、体が勝手に生聖を手に掴み天蓋から飛び出る。
「冥紗!?」
私の行動に驚く陛下を背に、天蓋の外にいた壁内侍に問い掛ける。
『今宵の黄麟殿の警護は近衛軍が?』
壁内侍が頷く。
近衛軍が警護しているなら、安心できる。
天蓋の中にいる陛下に向き直り頭を下げ口を開く。
『勝手な行動をどうかお許しを…。
これより皇后宮に応戦に参ります。』

