四面楚歌-悲運の妃-




共に戦うなど、賛成できない。


麒麟児と言われる程、文武に長けた陛下といえど、実際に共に戦うとなると、よりいっそう危険にさらされる。


共に戦うという陛下のお気持ちは嬉しく思うが、天子とは護られる存在。


その為に後宮軍も近衛軍も存在し、そして聖人が存在するのだ。


得に聖人は…陛下の為に…この國の為に…



『後宮軍が…近衛軍が…、聖人がなんの為にいるとお思いですか?
護るべく陛下をもし亡くしでもしたら、私達はどうしたらよいのですか!?
私は…陛下を護る為に生きているのです。
どうか…危険事はお止めください…。』


涙が目に滲み、最後は言葉にするのがやっとだった。

私の知らぬ所で


私の力及ばず


陛下が傷つくなど


あってほしくない。



「…っ!すまぬ冥紗。」


!?


急に体が陛下の体温で包まれた。


少し苦しい程に力強く抱きしめられる。


「泣くな…私が悪かった。
少しでもそなた達の力になればと思ったが、逆であったな。」


陛下は私を慰める様に背を撫でる。


撫でられるうちに、気持ちは少しずつ落ち着いてきた。


『陛下…大きな声を出してしまい、申し訳ありませんでした。』


ゆっくりと陛下のから体を離すと、陛下は柔らかい笑顔で首を横に振った。


「さあ、今日はもう休もう。」


陛下に促され立ち上がり、室を移動する。