陛下からあの事を聞くかと思うと、胸が痛んだ。
しかし陛下の口からでた言葉は、予想を反する言葉だった。
「もっと早く策を改めるべきであった…。
朝の様な事はこれからまだ続くであろう。
私が皇帝の椅子に座す限り…。」
陛下?
何を言っておられるのですか?
まさか…皇帝の座を…っ
握られる手を強く握り返す。
私の言わんとする事を察したのか、陛下は首を横に振る。
「案ずるな。
そなたが今考えておる事ではない。
そなた達の荷を軽くせねばならぬという事だ。」
私達の…荷…?
疑問を浮かべる私に陛下は微笑む。
「趙陳榔(チョウチンロウ)入れ。」
?
急に誰かを訓んだ陛下に、驚きを隠せずにいると、返事と共に金物がぶつかり合う音がし、その人物が室へと入ってくる。
一礼し私と陛下の前にひざまづき、顔を上げる。
この人…幾度か見たことのある近衛軍の…
趙…陳榔…?
っ!?
思わず陛下に振り返る。
「冥紗も顔と名くらいは知っておろう。
近衛将軍である趙陳榔だ。」
こ、近衛将軍!!

